受験直前期の気持ちを綴っておこう
素直にストンと、心を直下的な視点で見てみると、やはり不安が大半である。しかし、ワクワク感もなくはない。ただ、早く終わってしまえと思う気持ちもある。去年のトラウマが蘇ってきそうである。
机に向かう。頭が働かない。心の中の悪魔が「どーせ落ちる」とカタカタ笑う。読めない。文字が。目が滑ってるだけで、頭が読み取ってくれない。というか、頭が痛い。身体も痛い。
最近の私の体はどこかおかしい。
去年もそうだった。
受験直前になるときまって頭痛、肩こり、腰痛、喉の痛み、顎が外れ、歯茎から血がでるのだ。今年はより酷い。
歯を食いしばって無駄な力が入ったまま勉強しているからではないのか、と言われるとそれは正しい。
ただ、そこまでおかしい状況になるのがなぜかわからない。
心理的な話を聞くと、心のどこかで「拒絶」している。らしい。去年受験から嫌われた私は、受験というものを「夢を叶えるための登竜門」としての側面を打ち壊し、「自分に苦しさを与える、扉のない壁」として捉えてるようだ。
だから体がこわばる。そして【落ちても仕方なかった】という体の不調という免罪符を与えてくれる。
でもそんなものでは私は幸せにならない。なれない。
この壁をわたしはぶち壊し、私の心の悪魔に貴様は嘘だと真実の銃口を突きつけねばならないのだ。
よく考えると、今までの私は「あぁ、この心理状況になったら終わり」と見切りをつけるのが早かった。恋愛においても「あ、このかんじうまくいかないな」と好きになる前に切り離し、見事に傷つくことなくのうのうと生きてこれた。
「この感じ上手くいかない。だからやめる」これで私は安息を手に入れてきた。自分の動ける範疇の完全に把握した世界の中で生きてきた。ひとたびその領域の外に出ようとすると悪魔が囁く。
そっちに行っても悪いことばかりだよ。理想を追いかけても大抵無理で傷ついてしまうよ。君にはこの世界が良いよ。この世界は君の欲しいものはないかもしれないけれど、苦しくはないよ。キミにはオニアイだよ。
…たしかにその通りだ。好きにならなければ、傷つくこともない。受験を受けなければ、落ちることもない。
でも最近おかしい。ここ1、2年おかしいんだ。
安全な範囲が異常に狭い。何をしても「こっちはダメだ」とばかり言われる。おしゃれしても「どーせ浪人」髪切っても「どーせ誰もみない。おまけに太ってきた」勉強しても「どーせ落ちる」友達と遊んでいても「こんなことしていて良いのか」。あぁ。ついに私の安息地帯は睡眠途中の意識外の通路だけなってきたようだ。朝にはまたつまらない日々が来る。このままだと植物のようになってしまう。
安全地帯。それは罠である。巧妙な天使の振袖を纏った悪の化身である。
私は自分保身からでた言い訳と逃げの薄絹を羽織っている。そしてその薄さ故に本当に自分を守ることはできない。本当に保身できているのならばこんなに苦しい思いをしないだろう。
安全な世界はもういい。本物がほしい。本当に欲しいものを手に入れたい。それに向かう勇気と精神力が欲しい。
それがたまらなく欲しい。この世の何かを成し遂げてきた人はどのようにして乗り越えていくのだろうか。
心は誰もが弱い。
俺は特に弱い。
でも乗り越えねばならない気がする。ここを超えたい気持ちがすごい。でも勇気が出ない。
安全地帯からの第一歩を踏み出したい。
これからにつながる大幅な一歩を。これからの加速のための力強い一歩を。
助走はつけてきた。8ヶ月。密室に閉じこもってやってきたんだ。
飛べ。飛んでくれ。たのむ。
今までかえれなかった虚偽の大壁を霧に変えてくれ。いや、変えるのだ
俺はやってきた。そうだろ。悔しい思いをした。ずっと苦しさに耐えた。受かるために。自分にもたれかかった何かを払拭するために。
もう自分を卑下するのは飽きた。去年とは比べ物にならない尋常じゃない量をこなしてきた。ゲームもしないテレビも見ない。もう何ヶ月間休まずに塾に通ってる?ずっっとやってきたのさ。だからその日もやれるのさ。
今までの全てはこの日のためだ。
頑張れ俺。
ではまた…